すでにあるKindle本(電子書籍)を、Udemyにも横展開したい――そんな人が今めちゃくちゃ増えています。
時間をかけて作ったコンテンツを別のプラットフォームでも活かす。
戦略としてはすごく良いです。
でも実は、ただUdemyに横展開するだけだと、まったく売れません。
今回は「Udemyコース公開添削」企画の第3回。
Kindle本をベースに作られたジャーナリング講座を全部拝見して、評価4.9なのに有料販売が2件しかない原因を4つ見つけました。
記事の後半では、構成のビフォーアフターも公開します。
「Kindleや手持ちのコンテンツをUdemyに出したけど売れなかった」という失敗を防ぎたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
▲ この記事は上の動画(約22分)の内容を、要点をまとめて記事化したものです。
あわせてご覧ください。
今回添削するコースと相談内容
応募してくださったのは、ジャーナリング系のUdemyコースを公開しているドヤツエさん。
ジャーナリングのKindle本を何冊も出版されていて、今回のコースもご自身のKindle本をベースにUdemy化したものです。

コースの現状
- コース名:初心者でも簡単に続けられる!「幸せジャーナリング」習慣講座 日記に8年間挫折し続けた僕でも800日継続中
- 2026年3月公開、コースの長さは約2時間
- 評価4.9、レビュー9件、受講生38名
- ただし有料での販売はまだ2件
応募時のお悩みはこんな内容でした。
- 2025年2月からUdemyを始めたが、昨年に比べて新規講座を出しても思ったように売れない
- 自分のKindle本をベースに、他のジャーナリング講座と差別化できると思って作った。
レビューは9件取れて良いスタートだと思ったが、有料販売はまだ2件 - 他の講師から「Udemyが売れづらい」と聞くので、禁酒の講座も出そうか迷っている
- 一方で、全講座の中ではAI音声の講座からの流入とコンバージョンが一番多い。
AI関連のコースを伸ばした方が賢明? - 目的は副収入。
Udemy単体で月2〜3万円あれば嬉しい

すでに作ったコンテンツを別のプラットフォームに展開して認知を取っていく。
そこに目をつけたのは素晴らしいです。
ただ、Kindle本をそのままUdemyに出しても売れるとは限りません。
評価は高く、実績もある。
なのに売上が上がってこない――その正体を解き明かしていきましょう。
原因① テーマ決めが「Udemyの需要起点」になっていない
コースを見た第一印象は、そもそも出発点が違うということでした。
Kindle本も少し拝見しましたが、おそらくKindleのテーマやコンセプトを、そのままUdemyに持ってきているのだと思います。
その作り方自体が悪いわけではありません。
ただ、Kindleで需要があるテーマと、Udemyで需要があるテーマは違うことがあるんです。
自分が実績を出したコンテンツをほぼそのまま出すのは、自分目線になっていて、Udemyユーザーの目線が抜けています。

Udemyで「ジャーナリング」の需要をリサーチしてみる
今回のテーマは、おそらく「ジャーナリングを続けられない人に、続けられる方法を教える」。
Udemyで売れ続けたいなら、このテーマは見直しが必要だと思います。
実際に一緒にリサーチしてみましょう。
知るべきは「Udemyで需要があるか」と「ライバルとどうずらすか」の2つです。

一定数探している人はいる
検索バーにサジェストが出るので、キーワードで探す人は一定数いそうです。
ただ「ジャーナリング」のトピック全体の受講生はおよそ13万1000人。
ジャーナリングのやり方だけを教えるには、少し母数が小さいテーマです。

売れているコースを見ると、「諦めた夢を達成する」「やりたいことを可能にする」ためのジャーナリング、という立て付けになっています。
ほかにも、行動心理・ストレス回復・幸福度・目標達成のためにジャーナリングをする、という切り口が並んでいました。
ここから分かること
Udemyでジャーナリングを探す人の悩みは「ジャーナリングがしたい」ではありません。
夢を達成したい、目標を達成したい、理想の自分になりたい。
その手段として、人気講師はジャーナリングを提案しているんです。
つまり「ジャーナリングが続けられない」という悩みでコースを買う人は、ほとんどいないということです。

ずらし方の例:「書く」というやり方そのものをずらす
とはいえ、いくら需要があっても、ライバルとまったく同じテーマは選ばれにくい。
必要なのは、Udemyの需要に乗りつつ、ライバルとずらしたテーマにすることです。
夢の達成・目標達成・幸福度アップという売れているテーマの軸は残す。
そのうえで分析すると、人気コースはほとんど「書く」ことに特化しています。
僕だったら、「書く」というやり方そのものをずらします。

続かない人の根本的な悩みは、そもそも「書くのがめんどくさい」ですよね。
だったら書く代わりに、日々の出来事や気づきを音声でAIに渡して、思考整理に役立てるノウハウを提供する。

これだけで大きな差別化になる
もちろん、これはドヤツエさんが作りたい方向性とは違うかもしれません。
伝えたいのは、Udemyの需要を残したまま、競合と被らないアプローチに変えていくという考え方です。
Kindleのテーマのままでも良いケース
注意点もあります。
KindleとUdemyの需要が一致しているなら、Kindleのテーマのままでまったく問題ありません。

全部Udemyと同じテーマで、うち3冊がKindleでもベストセラーに
僕はUdemyからKindle化した本が4冊あり、すべてUdemyと同じテーマで出していて、そのうち3冊はKindleでもベストセラーになっています。
理由は、UdemyでもKindleでも需要があることを確認したうえで作っているからです。

Udemyに横展開する前のチェックリスト
- そのジャンルやテーマに、Udemyでちゃんと需要があるか
- ライバルと差別化できるか。
または、同じコンセプトでも自分の方がもっといいものを出せる自信があるか
もし需要が合わないと感じたら、Kindleをそのまま使うのではなく、テーマをUdemyの需要に寄せてブラッシュアップする手間が必要です。
とはいえ、今のテーマのままでも、改善すれば見え方は今よりずっと良くなります。
原因② 構成を見ると、ノウハウパートが少なく見える
ドヤツエさんはジャーナリングのKindle本を何冊も出しているので、ノウハウの量はまだまだあるはず。
でも今の構成だと、ノウハウパートが少なく見えてもったいないと感じました。

セクションは「はじめに」「日記が続かなかった原因」「ジャーナリングの悩み一問一答」「幸せジャーナリングの書き方」「ジャーナリングを継続するためのマインドセット」「ジャーナリングが続く理由と効果」「ジャーナリングに新たな選択肢」。
パッと見てノウハウがありそうなのは、「書き方」と「マインドセット」の2つだけです。
他は本格的なノウハウというより、知識や前置きに見えやすい。
しかも「マインドセット」「日記が続かなかった原因」「続く理由と効果」は、レクチャーが1〜2本しかありません。
1セクションのボリュームとしては少なすぎます。
受講生は「目次」で買うかどうかを決める
Udemyのユーザーは、セクション名・レクチャー名からノウハウの量や分かりやすさを判断しています。
構成の段階で「内容が深そう」「学びたいことがありそう」と思われなければ、そもそも買ってもらえません。

構成を設計するときのチェックポイント
- セクションやレクチャーをどう分けていくのか
- ノウハウパートのボリュームは十分か
- 順番に進めるだけでゴールまで届く設計か
- セクション名やレクチャー名は適切か
正直、構成をなんとなく感覚で作っている講師さんは多いです。
でも感覚で作ると、有料商品としては弱くなります。
なぜこのセクションがここにあるのか、なぜこのレクチャーがこの中にあるのかを、全部自分の言葉で説明できる状態で配置しましょう。
原因③ 大事な情報が「コラム」扱いになっている
コースの中には、ドヤツエさんの実体験などが「コラム」として各所に入っていました。
内容が悪いわけではありません。
問題は「コラム」という置き方です。

コラムと並んでいると、本編とは関係ないおまけに見えやすい。
そう思われた瞬間、大事な情報でも見落とされ、飛ばされてしまいます。
さらに、コラムの中身と置いてあるセクションが一致していませんでした。
- セクション4の最後にある「コラム2」の中身は目標設定のマインドブロック。
マインドの話なら、セクション5のマインドセットに1本のレクチャーとして入れた方がスマート - 「コラム3」のジャーナリングを続けた後の変化も、ビフォーアフターとして見せられるなら、冒頭の早い段階で「このコースで僕はこれだけ変わった」と伝えた方が絶対にいい
コラムとして分けるのではなく、普通の1本のレクチャーとして、中身が合うセクションに置く。
ここが非常に大事です。
原因④ 伸ばす軸より先に「何の専門家か」が決まっていない

応募文には「禁酒の講座も出そうか迷っている」「AI音声の講座は調子がいいから、そっちを伸ばした方が賢明か」とありました。
すごく大事な問いですが、その前に聞きたいのはこれです。
ドヤツエさんは、どのジャンルの専門家として発信していきたいですか?
Udemyは「専門家に教わりたい」という需要が強いプラットフォームです。
だからこそ、どのジャンルの専門家として発信するのか、ポジションを決めた方がいい。

禁酒もジャーナリングもAIもやりたい、だと、受講生から見ると「じゃあ、あなたは何の専門家なんですか?」となってしまいます。
大事なのは、先に軸を1本だけ決めることです。

ジャーナリングや禁酒なら、生活改善・習慣化のジャンルでコースを揃えていく。
逆にAIを軸にするなら、ジャーナリングのコースがあると「なんでジャーナリングが?」となりやすいですよね。
専門性の軸をずらさずに派生させる
参考までに僕の話をすると、XのコースもAIのコースもマインドのコースも出していて、一見バラバラに見えるかもしれません。
でも全部「オンラインビジネス」に関係するコースです。
Xならマネタイズ方法、AIはコンテンツ制作や業務効率化、マインドもビジネスに必要なマインド。
コツは何でも出すことではなく、専門性の軸をずらさないまま派生させていくことです。
「反応がいいから」だけでジャンルを選ばない
「AIの反応がいいから、AIに行った方がいいのかな」と思う気持ちもよく分かります。
トレンドに寄せるのは戦略としてアリです。
ただ発信は出し続けるもので、しかもUdemyは1本に詰め込める情報量が多いので、ネタ切れしやすい。
ネタ切れしないためには、講師自身が学び続ける必要があります。
AIが本当に好きで、最新情報のインプットもアウトプットも常にできるならAIでもいい。
でも「反応されやすいから」「すぐ稼げそうだから」だけで決めると、興味のない分野を学び続けることになり、後からかなり辛くなります。
月2〜3万円ならトレンドを追わなくて大丈夫
ドヤツエさんの目標は月2〜3万円。
この金額なら、好きなジャンルで良いコースを出し続ければ必ず届きます。
トレンドに飛びつくより、情熱を持てる軸で長く続けられる方を選んでください。
「去年よりUdemyが売れない」について
応募文にあった「去年よりUdemyが売れない」という悩みは、ドヤツエさんだけでなくUdemy全体で起きていることです。

Udemyがサブスク型のサービスをスタートした影響で、サブスクに選ばれていないコースは、どれだけ良いコースでもユーザーに見つけられにくい構造になっています。
体感では、去年比で売上が3分の1ほどに減っている講師さんが多いです。
僕自身も、去年は毎月15万円以上稼げる月が多かったのが、今はUdemyのコースだけの収益なら月6〜9万円くらい。
それでも副収入としては全然アリですよね。
だからこそ大事なのは、環境のせいにしすぎず、ユーザーのために良いコースを出し続けること。
月2〜3万円なら、今の市場でも十分に狙えます。

改善案:構成のビフォーアフター
ここからは、今のコンセプトは崩さずに、構成をどうブラッシュアップしたかをお見せします。
「基礎→書き方→定着→悩み解決」の流れに組み替える
まず、これまでコースの中で語られていたものの、どこにあるか分かりにくかったジャーナリングの基礎知識を、独立したセクション2にしました。

基礎 → 書き方 → 習慣化 → 悩み解決と、迷わず進める流れに
改善後のセクション構成
- セクション2:ジャーナリングの基礎知識
- セクション3:幸せジャーナリングの書き方
- セクション4:書く習慣を定着させる
- セクション5:ジャーナリングの悩み一問一答
- セクション6:新たな選択肢
- セクション7:まとめ
基礎を学んで、書き方を身につけて、続け方を整えて、よくある悩みを潰す。
書く → 定着させる → つまずきを解消させるという流れの方が、今までの構成よりずっとスマートです。
継続に必要なレクチャーを1つのセクションにまとめる
元の構成は、セクション名と中身が一致しないレクチャーが散らばっていて、何がどこにあるのか分かりにくい印象でした。
そこでセクション4「書く習慣を定着させる」に、継続に必要なレクチャーをまとめました。

セクション4:書く習慣を定着させる
- このセクションで学べること
- 続かない本当の原因
- ジャーナリングを継続していくための2つのマインドセット
- 目標設定のマインドブロックを外す(←コラム2から移動)
- 目標設定の度合い
- 変化のロードマップ
- ワーク:自分の「続かなかったパターン」を1つ書き出す
ただ、コースのテーマから見るとまだノウハウが少し薄い印象は残ります。
ご自身の体験や変化を熱く語れるのは、すごい強み。
そのうえで詳しいやり方をもう少し厚く見せられると、もっと良くなると思います。
「まとめ」にノウハウを置かない
もう1点、まとめの使い方です。
今のコースでは、まとめの中に3つの手法やノートの紹介など、ノウハウの一部が入っていました。
でも受講生からすると、「まさか、まとめにノウハウがあるとは思わなかった」となりやすい。
そもそも、まとめまでたどり着く人はすごく少ないんです。
少しでもノウハウに触れる内容なら、セクション3や4などのノウハウパートにきっちり置きましょう。
まとめは振り返りと重要ポイントに注力して、ここを見るだけで要点が分かるようにすると、受講生も迷いなく進められます。
今回は、一番の問題がテーマ決めと構成だと考えたので、そこに注力しました。
台本はセクション1のみ改善案を作っています。
まとめ:Kindle→Udemy横展開で失敗しないために
最後に、今日のポイントを振り返ります。
Kindle→Udemyに横展開しても売れない4つの理由と対策
- 専門ジャンルの軸を先に決める:何でも出すのではなく、軸をずらさず派生させる
- Udemyの需要に寄せる:KindleとUdemyの需要の違いをリサーチし、既存のKindle本でもUdemyの需要に合わせる
- 目次だけでノウハウが伝わる構成にする:受講生は目次を見て「学びたいことがありそうか」を判断している
- 大事な情報はコラムに入れない:内容に合ったセクションに、普通のレクチャーとして入れる
テーマによってはノウハウの量に限界がある場合もあります。
それでも、構成の見え方を少し整えるだけで印象は大きく変わります。
こうした視点も踏まえて、ぜひたくさんUdemyコースを作って目標を達成していってください。
ドヤツエさん、今回は添削企画にご参加いただきありがとうございました。
月2〜3万円なら絶対にいけるので、諦めずに頑張ってほしいです。

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それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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